
トノサマバッタは、後翅を羽ばたかせて数十メートルは優に飛ぶ。バッタ科の中でも特に飛ぶのが上手い種である。
大量発生したトノサマバッタの群れが、数百キロメートル離れた島まで渡ったのではないか?という記録も残っているようだ。
イネ科を中心とした植物食で、それらが生えた草原で見つけることができるだろう。
トノサマバッタは並外れた飛翔能力の持ち主なので、素手で捕まえたり近くで観察するのは、なかなかムズカシイ。飛び立たれないようにそっ~と近づこう。
トノサマバッタの基本データ
分類:動物界 節足動物門 昆虫綱 直翅目(バッタ目)バッタ亜目 バッタ科 トノサマバッタ属 トノサマバッタ
学名:Locusta migratoria
漢字名:殿様飛蝗
別名:ダイミョウバッタ
大きさ:♂35~50mm ♀45~65mm
成虫の見られる時期:6~12月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
学名:Locusta migratoria
漢字名:殿様飛蝗
別名:ダイミョウバッタ
大きさ:♂35~50mm ♀45~65mm
成虫の見られる時期:6~12月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄

こちらはトノサマバッタ褐色型。

背中側からの写真。トノサマバッタは、お腹の先が見えると雌雄が判別しやすい。この個体は雄。


近づきすぎて逃げてしまっても、周辺の植物に掴まっていることもある。よく探してみよう。この個体はトノサマバッタの褐色型の雌。

トノサマバッタの頭部をアップで。目は複眼の他に、複眼の内側と眉間に計3つの単眼がある。

正面から見るとこんな顔をしている。

トノサマバッタとよく似ているクルマバッタやクルマバッタモドキとは、前胸背板上縁中央の凹みで区別できる。

前胸背板上縁の丸みが強くクルマバッタのようにも見えるが、凹みがあるのでトノサマバッタだろう。

トノサマバッタとクルマバッタは、後翅でも見分けることができる。トノサマバッタの後翅は写真のように透明だが、クルマバッタとクルマバッタモドキには、褐色の輪がある。

緑型の終齢幼虫。翅が短く、腹部まで覆われていない。

こちらはトノサマバッタ褐色型の終齢幼虫。

トノサマバッタの交尾。交尾が終わると、メスはお尻の先を土の中に刺し、産卵する。
卵は寒い冬を土の中で過ごし、翌年の春には孵化する。近くの草むらでは、トノサマバッタの小さな幼虫たちが葉っぱをかじる姿が観察できるだろう。