
ヒナバッタは、日当たりの良い草地で見られるバッタの仲間だ。クルマバッタやクルマバッタモドキと同じような環境で見られるが、ヒナバッタの方が二回りほど小さい。
昆虫の名前には「小さい」という意味で「ヒメ」や「ヒナ」が使われるが、圧倒的に「ヒメ」の方が多い。和名ヒメバッタはいないのに、本種が「ヒナ」バッタなのはなぜだろうかと調べてみた。
どうやら、ヒナバッタによく似ているマダラバッタをヒメバッタという別名で呼ぶことがあるようだ。これと混同しないように、ということなのかもしれない。
ヒナバッタの基本データ
分類:動物界 節足動物門 昆虫綱 直翅目(バッタ目)バッタ亜目 バッタ科 ヒナバッタ亜科 ヒナバッタ属 ヒナバッタ
学名:Chorthippus biguttulus
漢字名:雛飛蝗大きさ:♂19~23mm ♀25~30mm
成虫の見られる時期:4~12月
分布:北海道・本州・四国・九州
学名:Chorthippus biguttulus
漢字名:雛飛蝗大きさ:♂19~23mm ♀25~30mm
成虫の見られる時期:4~12月
分布:北海道・本州・四国・九州
どこにでもいる普通種と思っていたが、埼玉県レッドリストでは準絶滅危惧1型とされているようだ。

背中(前胸背板)に「く」の字マークがある。後翅にある白い紋もヒナバッタの特徴だ。

腹部の先が朱色の個体。この体色のヒナバッタは、私はオスでしか見たことがない。
ヒナバッタの雄は、前翅と後脚を擦り合わせて「ジリジリジリジリ…」と鳴く。

鳴いているところを観察しようと近づくと、気配を察知して、鳴くのをやめてしまうことがよくある。
そんな時は、一度捕まえてケースにいれてから静かにしておくと、鳴くところを観察できるだろう。

枯れ草の中に逃げられると、見つけるのに苦労する。

草地に繋がる舗装路に出てくることもある。