
アカボシゴマダラは、黒×白の斑模様に赤い星のあるタテハチョウの仲間である。
アカボシゴマダラは、東アジアに広く分布している。3つの亜種に分類されたひとつが、奄美大島に分布している個体群だ。
日本には、元来この奄美亜種しかいなかったが、最近では関東地方を中心に分布が拡大している。しかし、この関東地方で見られる個体群は、奄美亜種ではない。
実は、中国南部等に分布している亜種が人為的に持ち込また、いわゆる外来種なのだ。
日本には近縁の在来種ゴマダラチョウがいるが、生息環境が似ているために競合が懸念されている。
アカボシゴマダラは2018年に特定外来生物に指定された為、飼育・運搬などが禁止されている。
学名:Hestina assimilis
漢字名:赤星胡麻斑大きさ 開帳:75~85mm 前翅長:40~53mm
成虫の見られる時期:4~10月
分布:本州・九州(奄美諸島)
外来生物法:特定外来生物
レッドリスト:アカボシゴマダラ奄美亜種(Hestina assimilis shirakii)は準絶滅危惧(環境省)・分布特性上重要(鹿児島県)

この個体は、何かを探すように木の幹を歩き、地上まで降りていった。産卵場所を探していたのだろうか?

こちらは赤い星がない春型のアカボシゴマダラ。この白いアカボシゴマダラは、奄美亜種には見られない特徴である。

アカボシゴマダラの幼虫はエノキの葉を食べる。

背中に4対の突起があり、頭側から3列目の突起は他よりも大きいのがアカボシゴマダラの特徴となる。

最近は子供や女性からの支持も集めるイモムシ。タテハチョウの仲間のイモムシは、やはり群を抜いてカワイイのだ。

アカボシゴマダラは本来幼虫越冬をするが、クリスマスイブに蛹を発見した。
ネット検索をしてみると、冬に蛹になっている事例がいくつかあるようだ。
幼虫で休眠に入る前に暖かい日が続いたので、うっかり蛹になってしまった…というところだろうか。
この蛹は、緑色も鮮やかでまだ生きていたが、おそらく冬を越すのは難しいだろう。
ちなみに、奄美亜種のアカボシゴマダラ(Hestina assimilis shirakii)は、環境省レッドリストにおいて準絶滅危惧種に指定されている。