シュンランは、早春にシックな色合いの花をひっそりと咲かせるランの仲間だ。日当たりのよい乾いた土地を好むようだ。
シュンランの基本データ
分類:植物界 被子植物 単子葉類 キジカクシ目 ラン科 セッコク亜科 シュンラン属 シュンラン
学名:Cymbidium goeringii
漢字名:春蘭
花言葉:気品、清純、控えめな美、飾らない心
大きさ:10~40cm
花の見られる時期:3~4月
分布:北海道・本州・四国・九州
学名:Cymbidium goeringii
漢字名:春蘭
花言葉:気品、清純、控えめな美、飾らない心
大きさ:10~40cm
花の見られる時期:3~4月
分布:北海道・本州・四国・九州
ラン科の花は個性的なつくりをしたものが多いが、シュンランの花も同様だ。
上と左右に伸びる3枚は、萼が変化した萼片。花びらは3枚ある。下にベロンとなっている唇弁とそれを覆い隠すようにしている上の2枚の側花弁が、花びらだ。
側花弁の奥に見えているのは「ずい柱」といって、雄しべと雌しべが合体したもの。先端の丸い部分はカバーで、この奥に花粉の塊が隠されている。
唇弁の模様に誘われてやってきた虫が蜜を求めて潜り込むと、カバーが外れて背中に花粉がくっつく仕組みだ。
同じような仕組みは、虫に花粉の媒介をしてもらう花でよく見られるが、シュンランはちょっとずる賢い。
普通、花粉媒介の報酬として甘い蜜が用意されているものだが、シュンランには蜜がない。虫たちはまったくのタダ働きで、シュンランだけが得をする。完全にブラック企業である。
最近は数が減っているが、原因は色々とありそうだ。一番は、笹刈りなど人の手による管理の行き届いた雑木林が減ったことだろうか。また、人の手による盗掘が問題になっているという話も耳にする。
シュンランは、虫たちにとってはブラック企業かもしれないが、盗掘は勘弁願いたい。