このコラムの第1回目「自然観察をはじめよう!」で、自然観察が楽しくなる3つのアイテムを紹介した。今回はそのひとつ「ルーペ・虫眼鏡」について、もう少し書いてみよう。
ルーペ・虫眼鏡は、小さなものを大きく見せてくれるという、とてもシンプルな道具だ。ワタシがガイドを務める自然観察会でも、大変お世話になっている。しかし、いざ皆さんにルーペを渡すと、正しく使える方が意外に少ない。
やってしまいがちなのは、対象物と目の間にルーペを構えて、よく見えるようにルーペを前後させる、というもの。確かにこれでも大きくは見えるのだが、ルーペのポテンシャルを最大限活かしきれていないのだ。
【ルーペ・虫眼鏡の正しい使い方】
それでは、ルーペの正しい使い方を説明しよう。
- まず、ルーペのレンズが睫毛につくくらい目の近くに構える。
- 次に、対象物を持った腕を伸ばし、ピントが合うところまでゆっくりと近づけていく。
- 対象物を手に持てない場合には、ルーペを構えたまま顔を近づける。
- ピントがあったら、よく観察しよう!
正しい使い方は、たったのこれだけ。ルーペの大きさや倍率にもよるが、ピントが合うのは顔に近いところになるだろう。
この使い方のメリットは、見るもの全てが拡大されること。小さな花の雄しべと雌しべの構造、蝶の翅の美しい模様を作り出す鱗粉など、いきもの達が産み出した自然の造形美が、視界一杯に拡がるのだ。
まるで、ミクロの世界の住人にでもなったかの様な気分を味わえるだろう。
ルーペ・虫眼鏡を正しく使うことで、自然観察が何倍にも楽しくなるので、ぜひ試してみてほしい。
最後に、オススメのルーペ・虫眼鏡を2つご紹介。
レイメイ藤井 超観察ルーペ 先生おすすめ
このレイメイ藤井のルーペは本当に便利で、ワタシも愛用している。メインは3.5倍だが、6倍・13倍のレンズもついているので、これ一つで相当小さな物まで見ることが可能。
振り出し式で倍率を変えられるものもあるが、レンズを変える手間がある。このルーペだと覗くレンズを変えるだけなので、ストレスなく観察を続けることができるのだ。
300円ほどの価格もウレシイ。
Vixen ルーペ メタルホルダー MT19
振り出し式のルーペの魅力は、なんといってもそのカッコよさだろう。道具は使い勝手も勿論大切だが、ポケットに忍ばせておくだけでワクワクするような感覚は、ことアウトドアギアにおいては重要なポイントだと思う。
このビクセンの振り出し式ルーペは、金属製のレンズホルダーが所有欲を満たしてくれる。3つのレンズを組み合わせると7種類の倍率で使うことができ、実用性もバッチリだ。
お気に入りのルーペを手に入れたら、自然観察に出かけてみよう!