ヤマアカガエルは、山地や丘陵地の森林で暮らす日本固有のアカガエルの仲間。
昆虫やミミズなどを食べる。
ヤマアカガエルの基本データ
学名:Rana ornativentris
漢字名:山赤蛙
大きさ:♂42~60mm ♀36~78mm
分布:本州・四国・九州
ヤマアカガエルの体色は個体によって変異があるが、お腹が黄色く後脚に黒い縞模様があることが多い。
喉や腹の横などに黒い斑紋があるのも、ヤマアカガエルの大きな特徴となる。
この個体はかなり黒っぽい。
近似種のニホンアカガエルとは背中の線で見分ける。ヤマアカガエルは鼓膜の後ろあたりから内側に折れ曲がる。ニホンアカガエルは直線的。
ヤマアカガエルは、他の両生類よりもひと足早く冬眠から目覚める。神奈川県横浜市では1~2月のまだまだ寒い頃が多いだろうか。
オス達は水辺に集まり「コロロロ…。キョロロロ…。」と鳴いて、メスを呼び込む。繁殖のシーズンだ。
背中に乗っているオスのほっぺが膨らんでいるのがわかるだろうか。これは鳴嚢(めいのう)と呼ばれ、鳴き声を増幅させる役割がある。ヤマアカガエルの鳴嚢は鼓膜の後ろに1つずつある。
オス達は我先にとメスへ群がり、背中からしっかりと抱きかかえる。メスが産卵すると、オスが射精して体外受精を行う。このような生殖行動を抱接と呼んでいる。
蛙合戦観察の様子はコチラの動画をご覧いただきたい。
ヤマアカガエルが、まだ寒い時期から起き出して産卵をするにはワケがある。
同じエサを食べるライバルが少なく、ヤマカガシなどの捕食者もまだ眠っている。子供たちが無事に成長するための早起きなのだ。
しかし、産卵の為に集まってきたヤマアカガエルが、モズや外来種であるアライグマに補食されてしまうこともある。
ヤマアカガエルの卵塊。500~1,500ほどの卵が1つの塊となっている。
物凄い数のオタマジャクシ。この中で大人の姿になれるのはどれほどだろうか。
ヤマアカガエルの幼生(オタマジャクシ)は落ち葉や水草などを食べる。
間もなく手足が生えてくるだろう。
5~6月頃から、尻尾がなくなりカエルの姿になった個体が出始める。
体長2cmほどのヤマアカガエル幼体。すっかりカエルの姿である。