
丸っこい体でブンブンと羽を鳴らしているハチがいたら、それはキムネクマバチかもしれない。
クマバチ、あるいはクマンバチと呼ばれることも多いが、正式和名はキムネクマバチのようである。
名前の通り、胸がフサフサとした黄色い毛で覆われている。
羽音が五月蝿いので怖がられることが多いが、性格はおとなしい。こちらが手を出さなければ、刺されることはないだろう。
キムネクマバチの基本データ
分類:動物界 節足動物門 昆虫綱 膜翅目(ハチ目)ミツバチ上科 コシブトハナバチ科 クマバチ亜科 クマバチ族 クマバチ属 キムネクマバチ
学名:Xylocopa appendiculata circumvolans
漢字名:黄胸熊蜂
別名:クマバチ・クマンバチ
大きさ:20~24mm
成虫の見られる時期:4~10月
分布:北海道・本州・四国・九州
学名:Xylocopa appendiculata circumvolans
漢字名:黄胸熊蜂
別名:クマバチ・クマンバチ
大きさ:20~24mm
成虫の見られる時期:4~10月
分布:北海道・本州・四国・九州

キムネクマバチは、よく花を訪れて蜜を吸っている姿を見かける。特に多いのはフジの花だ。
フジの花は、マメ科特有の変わった形をしている。フジの花弁にハナバチが吸蜜のためにとまると、雄しべと雌しべがハナバチの体に触れる。こうすることで、ハナバチに花粉を運んでもらうという、フジの戦略なのだ。
フジの花にとっては、キムネクマバチは大切な花粉媒介のパートナーとなる。
しかし、蜜までが細長い筒状になっている花(例えばヘクソカズラなど)にとっては、キムネクマバチは迷惑な存在だ。
キムネクマバチの口吻は短いので、正攻法ではヘクソカズラの蜜を吸うことができない。しかし、生きていくために密は吸いたいのである。
そこで、花弁の横に穴を開けて、蜜を吸ってしまうのだ。これを盗蜜という。一番上の写真は、花は違うが盗蜜しているところだ。
ヘクソカズラにとっては、花粉を媒介してもらえないのに蜜だけ盗られてしまい、なんのメリットもない厄介者なのである。
キムネクマバチは、これまでミツバチ科に分類されていたが、最近ではコシブトハナバチ科に分類されることが多いようだ。