
春の自然観察で「カワイイ!」と人気なのが、このビロウドツリアブだ。
クリクリお目々にふわふわな身体で、春の野原や林縁を飛び回っている姿は、なんとも愛らしい。
ホバリング(空中静止)しながら花の蜜を吸っているところが観察できる。
この吸蜜の姿が、まるで上から吊っている様だということから、ツリアブと名付けられた。
分類:動物界 節足動物門 昆虫綱 双翅目(ハエ目) ハエ亜目 ムシヒキアブ下目 ムシヒキアブ上科 ツリアブ科 Bombylius属 ビロウドツリアブ
学名:Bombylius major
漢字名:天鵝絨吊虻
大きさ:7~11mm
成虫の見られる時期:3~6月
分布:北海道・本州・四国・九州
学名:Bombylius major
漢字名:天鵝絨吊虻
大きさ:7~11mm
成虫の見られる時期:3~6月
分布:北海道・本州・四国・九州

「空飛ぶタワシ」と呼ばれることもあるが、確かに亀の子束子にそっくりである。
ヘリコプターのようにホバリングしながら、長い口吻で花の蜜を吸う。

これだけ長いストローがあれば、花の奥に隠された蜜も簡単に吸うことができるのだろう。

アブの仲間は、複眼を見ればオスとメスを区別することができる。上の写真は複眼が離れているのでメスだ。

こちらは複眼が接しているので、オスである。
カワイイ昆虫代表とも言えるビロウドツリアブだが、幼虫時代の彼らの生態は、また違う一面を持っている。
ビロウドツリアブの幼虫は、土の中に作られたヒメハナバチ類の巣に寄生する。巣の中では、ヒメハナバチ類が集めた花粉や蜜、更には幼虫まで食べてしまうそうだ。
タワシの着ぐるみの下には、なかなかワイルドな顔を持つ実体が隠れているのかもしれない。