観察会で姿が見られると、最も参加者が沸く鳥のひとつがカワセミだ。
翼の深い碧から覗く背中の翡翠色と胸の橙色の見事なコントラストに、眼を奪われる。
その羽根色は構造色という仕組みで、見る角度によって様々な色に変化を遂げる。
カワセミの基本データ
分類:動物界 脊索動物門 脊椎動物亜門 鳥綱 ブッポウソウ目 カワセミ科 カワセミ亜科 カワセミ属 カワセミ
学名:Alcedo atthis
漢字名:翡翠・翡翆・魚狗・川蟬
大きさ:17cm
分布:全国(留鳥・漂鳥)
学名:Alcedo atthis
漢字名:翡翠・翡翆・魚狗・川蟬
大きさ:17cm
分布:全国(留鳥・漂鳥)
ところで、バイオミミクリーという言葉をご存知だろうか。
バイオは生物、ミミクリーは模倣という意味で、あわせて生物模倣である。バイオミミクリーとは、生物の機能や構造を真似することで、新しい技術を開発することを言う。
カワセミは、体の大きさに比べて非常に嘴が長い。この長い嘴が空気抵抗を減らし、水中に飛び込む際の水飛沫が非常に少ないのだ。
このカワセミの嘴の形状を模倣したのが、尖った顔がインパクトのある500系新幹線である。
新幹線が高速でトンネルに突入すると、出口付近でドーンという大きな音がする「トンネル微気圧波(トンネルドン現象)」という現象が起こる。
この現象を軽減するために、カワセミの嘴を真似て尖った形状にしたところ、見事に騒音が解消されたそうだ。
空飛ぶ宝石と呼ばれるカワセミは、自然の作り出す見た目の美しさだけでなく、その合理的な構造の美しさまでも、私達に教えてくれたようだ。